【行政書士⑤ 過去問】その過去問、いつの年度?法改正というまさかの坂!

行政書士試験は、兎にも角にも知識をインプットし、問題を解いて、忘れないうちに復習することを繰り返すことが大事です。科目の範囲が広いながらも、試験問題の形式は択一式の問題がほとんどですから、インプット中心の学習で点数は稼げるでしょう。

さて、問題を解く段階において意識することは、

  • 量としてたくさんの問題に触れることで出題傾向を探る
  • どの程度のことが問題になるのか、難易度・重要度を把握する

ことが挙げられると思います。

これらの点において、過去問を解くことは非常に有効です。だいたいの過去問はその出題年度が表示されていますし、解説にはその問題の難易度や重要度も記載されています。

一方で、気をつけるべきことがあります。それは、法改正です。

なぜ法改正に注意?

行政書士の試験問題は、原則、その法令につき、試験を実施する日の属する年度の4月1日現在施行されている法令に関して出題されます。
※試験科目とその内容等は、必ず試験実施機関の発表する試験概要等を確認するようにしましょう。

「最新の問題集やテキストを使っている」「スクールに通っている」のであれば、法改正につき、解説中・講義中に説明があると思いますが、中古のものや図書館で借りたものを使用していたり、わからないところをネットで調べたような場合には注意が必要です。過去に行政書士試験を受けたが不合格だった、勉強を続けて翌年度以降の合格を目指す、という場合も同様に注意しなければなりません。

法改正、しっかり意識していますか?
年度をまたいで学習していたり、古くても「良」なテキストを見つけた場合はこのあたりの意識が遠のきがちですよ。

法改正の頻度って?

さて、そんな法改正ですが、思われている以上に頻繁に行われています
法律案は、憲法に特別の定めのある場合を除いては、衆議院及び参議院の両議院で可決されて法律となり、その後、公布を経て施行(法律が現実に発効)されます。改正についても原則として同様です。

公布とは:
成立した法律を一般に周知させる目的で、国民が知ることのできる状態に置くことです。法律が現実に発効し、作用するためには、それが公布されることが必要です。
公布は、奏上された日から30日以内に行われなければなりません。法律の公布に当たっては、公布のための閣議決定を経た上、官報に掲載されることによって行われます。※奏上とありますが、公布は天皇の国事行為の一つでしたね。

施行とは:
法律の効力が一般的、現実的に発動し、作用することです。
公布された法律がいつから施行されるかについては、通常、その法律の附則で定められています。

近年の公布数:

下表は、内閣法制局がHPで周知している法律の公布数を、ここ5年分くらいの年度別にまとめたものです。

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内閣法制局HP内最近の法律・条約のページにて年度ごとの公布された法律の数を調べ 
 られます。
※なお、令和3年については、この記事を作成した2021年6月16日現在の時点で公表さ
 れている数です。

もちろん、この表は行政書士試験科目に関係のない法律等の公布数も含みます。言いたいことは、これだけ行われている法改正の中から、関係のあるものを自力で探せ出せますか?

そして、公布された法律は、官報に掲載されることで皆さんに周知されるのでしたね。公布された日の官報を見ると、改正された内容が見れますが、調べるの大変ですね…

ということで最新の情報を

せっかくわかりやすいテキストを見つけて勉強したとしても、万が一にも古いものだった場合、法改正によって情報の正確性がわからなくなって混乱しますし、調べるのは大幅な時間のロスとなることがお分かりになったと思います。テキストは受験年度のものを使うとともに、スクールなどを利用して、整理された最新の情報を手に入れましょう。
そして、繰り返しとなりますが、行政書士試験は何年もかかって合格を目指すのではなく、一発合格を目指しましょう。