【警察官採用試験 語学】資格加点の語学は英語が基本!県によってはその他の語学も…

都道府県ごとに行われる警察官採用試験。そのため、受験できる年齢や試験内容など採用にかかわる基準も各々の県警で異なっています。

採用基準が異なる中で、多くの県警が、一定の資格を取得していると加点する「資格加点」制度を設けています。これは、警察官になった後で求められる技能や資格を、採用前にすでに取得していることを評価するものです。そのため、採用試験に先立って、取得しておくと採用に関して有利に働くものとなります。

この記事では、資格加点のうち、語学にフォーカスした記事です。「語学に興味がある」「語学が得意だ」という警察官志望の方はもちろん、試験までの間に受験して取得してみようかな?という方もぜひお読みください。

 語学が資格加点になる県警

語学が資格加点になる県警は、47都道府県警中で、32県警もあります。
※2021年6月27日時点で公表されている各県警のHPもしくは採用案内等(警察官A区分)にて、資格加点があることが明記されている県警となります。
※同時点において公表されていなかったり、語学が有利になるものの、自己推薦(大阪府警など)や別区分での試験(愛知県警など)となっている県警は除いています。

これだけの数の警察が語学に対する資格加点を設けているのは、やはり、職務執行の中で語学ができる人を必要としているからといえるでしょう。

一方で、「対象となる語学」「語学能力の程度」「どの程度加点されるのか」については、県警ごとにそれぞれ異なっています。

どの語学が加点対象?

英語が一番多い

加点対象となる語学のほとんどは英語です。英語は、「実用英語技能検定(英検)」「TOEIC」「TOEFL」「国連英検」などで一定の級やスコアを取得していることが対象になる場合がほとんどです。交番や警察署を訪れる外国人のほとんどは、どこの国の人であっても、とりあえず英語で訊ねてくるような気がしますし、だいたいどこの警察署にも、英語を趣味で勉強している、英語が得意、という警察官はいるような気もします。

英語以外の言語

英語以外の言語でも、2021年6月現在においては、「ロシア語」「中国語」「韓国語」「スペイン語」「ポルトガル語」などの言語が、いくつかの県警では資格加点の対象となっています。とりわけ、「中国語」と「韓国語」については、英語に続いての数となっています。

警察官の職務においては、英語が使用できるといろいろなシーンで活躍することが可能ですが、英語以外の言語については、そもそも話せる人が少ないので、重宝されることもあります。前記以外の言語でも、インドネシア語ベトナム語タイ語といった言語について、一部の県警では警察官採用後に研修なども行われています。

英語はどの資格が取得しやすい?

先の項目で記載したように、資格加点の対象となる英語でも、対象資格の級やスコアを取得していることが必要になります。英語につき資格加点の制度を採用している県警では、「英検」「TOEIC」「TOEFL」「国連英検」をその対象としているところが多いですが、そのうちのどれかをこれから取得しようと考えているなら、個人的には、「TOEIC」がおススメです。以下の理由です。

①求められる基準が決して高くはない

英検は2級を求められるのに対して、TOEICは470点以上で加点になるところが多いです。※県によって、より高いTOEICの点数が求められる県もわずかながらあります。

英検とTOEIC、どちらが難しいかは一概に言えませんが、正直、TOEICのスコア470点以上というのは、少し低くないか?と疑問に感じるところです。私がいう筋合いのものではありませんが…

語学での資格加点を考えている方は、おそらく、英語が不得意、嫌いという方は少ないと思うので、この点数はいけるのではないでしょうか。また、語学が嫌いだが、これから頑張って取得したいという方、「英語がよほど苦手」でない限りは、すぐ取得できるのではないかと思います。

②リスニングとリーディングのみ

TOEICの試験のうち、LR(リスニング&リーディング)のみで構わないことから、4技能勉強しないといけないほかの英語系資格に比べると楽ですね。TOEICのSW(スピーキング&ライティング)が資格加点になると明確に記載している県警もありませんでした。

リスニングはとくに伸びやすいので、点数の半分をリスニングが占めるということもおススメ理由となります。

③1回の試験で完結

一次試験、二次試験と、2段階を経て合格が出る場合、片方で失敗してしまうと、当然、不合格となります。従来型の英検は2段階式ですね。TOEICは一回の試験でスコアがでますので、わざわざ2日程使うこともないし、目標のスコアが得られたら、それ以上試験を受ける必要がなくなります。

④試験機会が多い

TOEICはほぼ毎月、月に1~2回行われます。そのため、仮にスコア取得に失敗してしまったとしても、採用試験までにまだ受けられるかも、という機会面で恵まれています。従来型の英検は、年に3回ですからね。

 

以上の理由から、「これから英語での資格加点を目指す」ならば、TOEICがおススメとなります。ただ、注意もあります。

たとえば、埼玉県警ですが、TOEICのスコア600点以上(記事執筆時)となっています。このように、470点ではない県もありますので、受験案内や募集要項をよく確認しましょう。

また、公開テストのスコアのみとしている県もあります。大学等で受けられるIPテストのスコアは認められないことがありますので、あわせて確認するようにしておきましょう。

 

以上、資格加点のうち語学についてまとめました。県警によっては加点が大きいところもありますので、語学を活かしたい方、ぜひ参考にしてください。