【警察官採用試験 資格】警察官になるのに、取得しておくと有利な資格はある?それは語学?運転免許?武道関係?

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警察官になるには、警察官採用試験を受験して合格する必要があります。
県警ごとに採用予定数を定めていることから、受験者が増えるほどライバルが増えることになります。
選考は、一次試験(教養)と二次試験(論文および人物)と複数の段階で選別されますが、一定の資格が加点要素となることがあります。なぜ加点要素になるかというと、警察官として職務に従事するに資する・役立つからです。
そのため、加点要素となる資格を取得していれば、採用試験を受験するうえで有利となることはもちろん、警察官となった後でも、職務上の役割に従事するにあたってそれを活かせるという点で有効です。

どのような資格が有利になるか分類してみました。

語学系の資格

語学が役に立つ背景は?

出入国在留管理庁によると、令和2年6月末における在留外国人数は約288万人でした。国籍別では、TOP10には東アジアや東南アジア籍の外国人が多いですが、ブラジルや米国などもランクインします。
また、日本政府観光局(JNTO)発表の統計を見ると、訪日外国人数は、2012年から2019年にかけて増大しました。2012年の時点では年間約830万人だったところ、2019年の訪日外国人数はなんと約3,180万人です。2020年以降は新型コロナウイルス感染症に伴い、約410万人と激減しましたが、今後の状況によっては、以前ほどとはいかなくてもある程度回復するのではないかと思います。

警察で語学を活かすには?

前記のとおり、在留外国人・訪日外国人はかなりの人数となります。彼らがかかわる、被害にあう事件・事故の際には、語学が役に立つということは言うまでもないですね。
実際の事件事故の際には、その言語の通訳の方を依頼することが多いですが、公表されてはいないもののその人件費はかなりの額となるようです。そのため、警察大学校や各都道府県警ごとの施策で、警察職員に対する語学教育なども行われています。
このように「警察官になってから」語学を学ぶ機会もありますが、多くの県警では採用試験の段階においても加点されることがあるのです。

採用試験の際には?

どの語学が採用試験において役に立つかは、下記の記事でまとめていますので、語学の資格を持っている、目指せるという方はぜひご覧ください。

武道の資格

武道が役に立つ背景は?

警察官として職務に従事する中で、暴力がかかわる事犯は避けられません。「ケンカしている」「刃物を持っている人がいる」というような通報は当然あります。このようなときに、言葉で説得して事態が収拾すれば一番ですが、いざとなったら実力行使(制圧)する必要があります。
また、闘争心を養うことで、自信をもった職務執行にも資するものとなります。

どの武道?

武道は、「警察官になった後」はどんな武道でも役に立ちます。基本は、柔道、剣道、逮捕術ですが、合気道居合道柔術、ボクシングなど、個人で練習している警察官もいます。
柔道、剣道、逮捕術については、仕事前もしくは後に、職員同士で署内の道場で練習します。指導者も警察官ですが、「術科指導」という採用区分で警察に入職した職員が指導することが多いです。指導者の中には、オリンピックの強化選手を指導しているような方もいます。

採用試験の際には?

柔道もしくは剣道につき、段位を取得していると加点要素となる県警は多いです(令和3年度)初段以上の段位で加点してくれる県警もあるので、受験しようと考えている県警が、例年、加点している傾向にあれば、ぜひ出願前に取得を目指すのもいいでしょう。練習のために時間はかかりますが、警察官になる前から初段を取得済みという警察官は意外と少ないので、ねらい目かもしれません。
なお、多くの県警で、「術科」の区分にて区分を分けて採用試験を実施している県もあります。この区分は、術化指導者を目指すもののため、求められる基準は高い(全国規模の大会で実績がある)ですが、通常の「警察官」の区分でも、初段以上で加点になる場合が多いので、取り違えのないように!

柔道・剣道どっち?

よく言われるところとして、「間合い」の感覚が身につくため、剣道の方が、警察官の職務に対してより安全であると聞きます。柔道は、やはり、掴むところから始まりますからね。刃物を持っている犯人は、間合いの確保が基本です。ただ、素手の相手を投げて制圧するには柔道が役立ちますね。
ただ、剣道は道具が高いですからね。そして、逮捕術はおそらく柔道着を着て練習するので、剣道の場合は、剣道具も柔道着も買う必要がありますよ。柔道だと、道着を2着買うだけで済みますが。

情報処理系の資格

なぜ情報処理?

コンピューターの発展に伴い、社会が便利になるとともに、それを悪事に流用する人も多くいます。サイバー犯罪、サイバーテロという言葉を聞くこともよくありますね。これらの犯罪に対処するのは警察の責務です。また、振り込め詐欺フィッシング詐欺などの特殊詐欺、クレカの偽造にも情報技術は関係しています。
犯罪の〇〇化という言い方がされますが、犯罪のデジタル化に対処するのに、情報処理の知識が警察にとって活かされるのです。

どの部門で活用?

各種犯罪捜査の部門では、リアルの世界はもちろん、ネットの世界における犯罪情報も捜査しています。あわせて、情報管理課などの統括的な専門的な部署も各県警本部に設置されています。県によっては、「サイバー犯罪捜査官」「情報工学職」など、一般の警察官採用試験とは別区分で採用区分を設けている県もあります。
犯罪捜査はもちろん、情報漏洩の観点からも、情報処理の知識は有用です。警察が持っている情報のほとんどは個人情報、かつ、重要度の高いものです。それが漏洩したら大変なことになりますよね?情報処理関係の部署でなくても、個々の警察官は、その重要性をしっかり認識し、漏洩に対するリスクを回避することが求められるのです。

採用試験の際には?

警察官採用試験において加点となる情報技術系の資格は、ITパスポート試験や情報セキュリティマネジメント試験といった中級程度の難易度とされる資格から、システム監査技術者といった難関とされるものまで、資格の幅が広いことが特徴です。
加点事由となるかどうか、また、その資格の種類がどうかは、県ごとにも異なるので、情報系の資格を持っている方は各県警採用案内をぜひ確認してみてください。

運転免許、操縦免許

必要な背景

警察は、その責務において活用するため、いろいろな車両や重機を持っています。車両というのは、自動車に限られず、船舶、航空機などもあります。そして、それらの日々のメンテナンスや点検も、部門員が行っています。
これらの免許を取得することで、車両や重機を使用する部署に配属となることがあります。

採用試験の際には?

採用試験の際に、運転免許や操縦免許が加点事由になることは、あまりないようです。一方で、船舶や航空機、整備士の免許を持っていると、通常の警察官採用試験とは異なる独自の試験にて採用試験を行っていることがあります。その試験において採用されると、かかわる部署にて勤務することになります。

 

以上、とりわけ採用試験において加点要素となる資格のジャンルをまとめてみました。ここに記載のもの以外でも、日商簿記検定やスポーツの大会出場歴が加点要素になることがあります。各県警ごとに対象資格やその基準が異なるため、一覧にしづらいところですが、受験希望の県警の案内を見て、活かせるものはぜひ活かしましょう!